驚いた!

2006年9月16日
約束していた時間に兄が来た。

母と私と3人で、父の葬儀の話をする。

話をしながら、病院で父は病気と闘っているのに、不謹慎だなと思う

が、絶対に迎えなきゃならない事なんだと思うと、なんとも言えない

気分になる。
        ******

兄が帰った後、電話が鳴った。

最近、電話が鳴るとドキッとする。

母がなにか喋っている。

「おとうさんからよ」と言う。

えっ!?

私たちはきのうのようすから、さっきまで父の葬儀の話をしていた

のに、本人から電話?!

着替えと、バスタオルを持ってくるようにとのことだった。

父から電話がある前まで、きょう見舞いに行っても父が眠っていたら

そっとして帰ろう、と話していたのだ。

苦しさから開放されるのは、唯一眠っている時だけのようだから。

バスに乗るため先に家を出た母より、自転車であとから出た私の方が

先に病院に着いた。

病室のドアを開けると、父がソファーに腰かけ足を投げ出し、

つまようじをくわえているではないか。

驚いてなにも言えずにいる私に父は「シーツ交換してもらうんで

待っているのにまだ来ないんだよ」と、いつものはっきりした口調で

不満げだ。

「あ、そうなの・・・」

母が来ると、看護師さんや研修医とのやり取りを、あれこれと詳しく

話して聞かせる。

きのうの父とは別人のように、元気だ。

        ******

私たちは、すっかり父はもうだめなんだと思い、家の中もどんよりと

した空気が漂っていた。

が、こうして元気な姿を見ただけで、帰りはスーパーに寄り、

いろいろ買って夕食の準備をした。

こんなに心が軽くなるなんて。

疲れ方も違う。

いつもなら、何もかも投げ出して寝てしまいたい気分なのに元気だ。

家族が元気であることが、こんなに気分が明るくなるなんて。

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