悲しい鳴き声

2004年7月24日
またやったんだ。

朝から、野良猫ジュリの子供を呼ぶ鳴き声がしている。

また猫嫌いの阿久田さんが、子猫をどこかへ捨ててしまったのだろう。

これで、何度目だろう。

春にも、阿久田さんがジュリの子供を4匹取り上げて、捨ててしまった。

その時もきょうと同じ鳴き声で、ジュリは必死に探して歩いていた。

何日も何日も呼んでいた。

以前にも日記に書いたが、ジュリのあふれるほどの愛情は行き場を
なくし、体もやせたまま力なくトボトボ歩き、立ち止まっては子供を
呼び続けた。

おっぱいを飲ませたい、守りたいという母猫の気持ちは、子をなくしてもなお、行き場を求めていたのだろう。

そしてジュリが見つけたその愛情を注ぐ先は、前回産んでとっくにひとり立ちした子供に向けられたのだった。

いつも子供のそばにいて、体をなめ、餌場を教え、ちび太がそばに来ると威嚇して子供を守った。

でも、子供たち2匹は、もうとっくに親離れをしていたので、どこかに遊びに行ったりして、姿を隠してしまうことがあった。

そうなると、ジュリはまた大きな声で子供を呼び探して歩いていた。

「なんだよ、おかあさん。ちょっとあっちまで遊びに行ってただけじゃないか。心配しないでよ」

そんな事を何回か繰り返しながら2匹は、ジュリの所まで戻ってきたりしていた。

          ********

私たちは遅い朝食をとりながら、阿久田さんの事を嘆いていた。

子猫を育てる期間は、そんなに長くない。

半年もすればピョンピョン跳ねながら、ひとり立ちしていくのに。

夏に生まれた子供だから、せいぜい2匹くらいだと思う。

捨てられた子猫も、今頃鳴いて母親を探しているだろう。

夜になっても、ジュリの悲しい鳴き声は続いている。

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